クロノグラフは普通の時計にストップウォッチの構造がプラスされた機械構造になっています。ですから、その分、故障の確率が高くなります。また、普通の竜頭の他にストップウォッチ機能のためのプッシュボタンがついていますので、この部分の不具合、同時にケースに開いている穴の数も多いですから、当然、防水不良になる確率も高くなります。
さて、クロノグラフの修理は、クロノグラフの修理に慣れ、専用工具を保有している技術者でないと、技術のある技術者さんでもうまく修理出来ません。
ご使用状況によりますが3〜5年に一回必要になります。これを怠ると防水不良・油切れ等が発生し大きな故障につながります。
基本的な定期メインテナンスは、分解掃除+防水部品の交換になり、モデルによりますが、概ね下記のようになります。
★オメガ・クロノグラフ
・スピードマスター&ダイナミック
一番ポピュラーなクロノグラフで、当店でも一番修理のお預かりの多いクロノグラフです。ポピュラーなのは嫌だと言われるお客様には向かないかもしれませんが、長期的に見て、メインテナンスで困る可能性の一番少ないクロノグラフです。長期的な部品供給という観点から見ると、やはり生産量の少ない時計は早く補修部品が無くなります。長く使いたいとお考えでしたら一番お薦めです。
スピードマスターのご使用で一番気をつけないといけないのがプッシュボタンです。修理の実例を見て頂くと料金の高い修理(クロノグラフの修理料金は元々高いですが・・・)で交換部品にプッシュボタンが入った場合が多いはずです。スピードマスターのプッシュボタンは根元がガードされたタイプでは有りません。ですから、着用中に引っ掛けたりして痛めるケースが多いようです。
更にプッシュボタンを痛めると防水が効かなくなり、そこから浸水、機械が錆び、更にお金が・・・と言う事になります。
どこでプッシュボタンが痛んだか見分けるかと言うと、プッシュボタンを摘んで軽く揺すってみて、少しでも揺れるようでしたらプッシュボタンが痛んでいます。プッシュボタンの修理or交換が必要です。分解掃除(オーバーホール)後1年位でしたら、部分修理でも良いかとは思いますが、修理には機械を外す必要も有り、同時に分解掃除をお勧め致します。
スピードマスターの分解掃除・・・・・・・¥39900(消費税込み)
尚このモデルのみ特殊です。このモデルは機械が特殊(キャリバー3033A)なためメーカー修理、外装の場合はスイス修理の可能性も有ります。風防がプラスチック風防のようなクリスタルガラスになっているモデルです。 分解掃除・・・・・・・・¥73500(消費税込み)
・シーマスターPro
このタイプは強化防水ですので、プッシュボタンもガードされ、しっかりしておりますから、プッシュボタンの交換が必要になるケースは少ないかと思います。ただし、竜頭関係の不具合には要注意です。特に竜頭の本体側のチューブと呼ばれる部分は、ステンレスモデルの場合ロー付けされています。つまり、ロー付けされているチューブを外し、新しいチューブをロー付けするという事で、お金と時間がかかります。
シーマスターProの分解掃除・・・・・・・¥39900(消費税込み)
★ブライトリング・クロノグラフ
・クロノマット系(クロノマット・クロノマットエボリューション・アベンジャー等)
強化防水タイプですから、プッシュボタンもしっかりしています。竜頭関係もチューブ交換になるケースは少ないようです。構造上の問題か、お客様の扱い場の問題か判りませんが・・・・。
クロノマット系の分解掃除・・・・・・・¥52500(消費税込み)
・オールドナビタイマー系
内側のベゼルごと回転するタイプですから、防水性が強いはずは有りません。その点、お判りの上お使いなのかもしれませんが、プッシュボタン交換になるケースは少ないように思われます。
オールドナビタイマー系の分解掃除・・・・・・・¥52500(消費税込み)
★ロンジン・リンドバークモデル・クロノグラフ
リンドバークモデルは輸入元修理・スイス修理指定になっているようですが、大体の機械修理・竜頭交換は出来ますので概ね問題はないかと思います。機械自体はスピードマスターと同じ物ですが、スケルトンの裏蓋から見える部分の模様がオメガの物とは違います。この部分の模様が違って宜しければ、部品交換は可能です。プッシュボタンも取り付け部分がガードされていますから、プッシュボタンの不具合も少ないようです。
ロンジン・リンドバークモデル・クロノグラフの分解掃除・・・¥39900(消費税込み)
★ゼニス・エルプレミロ
★チュードル・クロノグラフ
★GP・クロノグラフ
★ブルガリ
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